ストレス解消に効く炭水化物の種類とおすすめの食べ方
ストレスが溜まると、甘いものやパンなどの炭水化物が食べたくなることはありませんか？実は、炭水化物はストレス解消に効果的な食べ物なのです。しかし、炭水化物には種類や量によって、ストレス解消効果や健康への影響が異なります。この記事では、ストレス解消に効く炭水化物の種類とおすすめの食べ方について解説します。
炭水化物とは
炭水化物とは、糖質と食物繊維からなる栄養素のことです。糖質は、ブドウ糖や果糖などの単糖類、麦芽糖や乳糖などの二糖類、でんぷんやグリコーゲンなどの多糖類に分けられます。食物繊維は、水溶性と不溶性に分けられます。
炭水化物は、体内でブドウ糖に分解されてエネルギー源となります。また、ブドウ糖は脳のエネルギー源でもあります。食物繊維は、腸内環境を整えたり、血糖値やコレステロール値を調整したりする働きがあります。
炭水化物がストレス解消に効く理由
炭水化物がストレス解消に効く理由は、主に以下の2つです。
セロトニンの分泌を促進する
セロトニンは、気分を安定させたり、リラックスさせたりする神経伝達物質です。セロトニンは、トリプトファンという必須アミノ酸から作られますが、トリプトファンは他のアミノ酸と競合して脳に入りにくいです。しかし、炭水化物を摂るとインスリンが分泌されて他のアミノ酸が筋肉に取り込まれるため、トリプトファンが脳に入りやすくなります。その結果、セロトニンの分泌が促進されて気分が良くなります。
快楽中枢を刺激する
甘いものやパンなどの精製された炭水化物は、血糖値を急上昇させます。その際に脳ではドーパミンという快楽ホルモンが分泌されて快楽中枢が刺激されます。そのため、一時的にストレスや不安を忘れることができます。
ストレス解消に効く炭水化物の種類
しかし、すべての炭水化物がストレス解消に効くわけではありません。精製された白い食品よりも未精製の茶色い食品の方が、ストレス解消効果や健康への影響が良いとされています。その理由は以下の通りです。
GI値が低い
GI値とは、食べ物が血糖値を上げる速度や高さを示す指標です。GI値が高い食べ物は、血糖値を急上昇させてインスリンの分泌を促しますが、その反動で血糖値が急降下してしまいます。その結果、空腹感やイライラ感が増したり、糖尿病や肥満などのリスクが高まったりします。GI値が低い食べ物は、血糖値の上昇を緩やかにし、インスリンの分泌を抑えます。そのため、満腹感や安定感が持続し、セロトニンの分泌も持続します。一般に、精製された穀類を使ったパンやうどん、白米などの白い食品よりも、未精製の穀類を使ったパンや蕎麦、玄米などの茶色い食品の方がGI値が低くなっています。
栄養価が高い
精製された白い食品は、栄養や食物繊維などが取り除かれてしまっています。そのため、エネルギー源としては使えますが、ストレスに対抗するために必要なビタミンやミネラルなどは不足しがちになります。未精製の茶色い食品は、栄養素や食物繊維を多く含んでおり、ストレスに強い体を作るのに役立ちます。
ストレス解消に効く炭水化物のおすすめの食べ方
量を適切にする
炭水化物はエネルギー源として必要ですが、摂りすぎるとエネルギー消費とバランスが崩れて太りやすくなります。また、摂りすぎると血糖値が上下することで気分も不安定になります。一般的には、1日のエネルギー摂取量の50～60％程度を炭水化物から摂ることが推奨されています 。具体的には、1回の食事で主食として白米なら茶碗1杯（150g）、パンなら2枚（120g）、うどんなら1玉（200g）程度が目安です。
タイミングを考える
ストレス解消効果を得るためには、炭水化物を摂るタイミングも重要です。特に就寝前に炭水化物を摂ると良いと言われています 。これは、セロトニンの分泌を促進することで睡眠の質を高めるためです。睡眠不足はストレスや不安を増幅させる原因になります。逆に朝食で炭水化物を摂るとエネルギーが得られて活動的になります 。そのため、朝食では炭水化物をしっかり摂り、夕食では炭水化物を控えめにするというリズムがおすすめです。
種類や組み合わせを工夫する
ストレス解消効果や健康への影響を高めるためには、炭水化物の種類や組み合わせも工夫することが大切です。例えば、以下のような方法があります。
未精製の茶色い食品を選ぶ
白い食品よりも茶色い食品の方がGI値が低く、栄養価が高いです。そのため、白米や白パンよりも玄米や全粒粉パンなどを選ぶことがおすすめです。
たんぱく質や脂質と一緒に摂る
炭水化物だけでなく、たんぱく質や脂質も一緒に摂ることで、血糖値の上昇を抑えたり、満腹感や栄養バランスを高めたりできます。そのため、肉や魚や卵や豆腐などのたんぱく質源やナッツやオリーブオイルなどの良質な脂質源と組み合わせて食べることがおすすめです。
甘いものは控えめにする
甘いものは快楽中枢を刺激して一時的にストレス解消効果がありますが、血糖値の急上昇やカロリー過剰などのデメリットもあります。そのため、甘いものは控えめにし、できれば自然な甘みの果物やはちみつなどを選ぶことがおすすめです。
まとめ
炭水化物はストレス解消に効果的な食べ物ですが、種類や量やタイミングや組み合わせによって、ストレス解消効果や健康への影響が異なります。精製された白い食品よりも未精製の茶色い食品の方が、ストレス解消効果や健康への影響が良いとされています。ストレス解消に効く炭水化物を摂る際には、量を適切にし、タイミングを考え、種類や組み合わせを工夫することが大切です。ストレス解消に効く炭水化物を上手に使って、ストレスに負けない体と心を作りましょう。
